こんにちは。東京都文京区本郷にある自費リハビリ施設 PNFリハビリセンターの松本行希です。
今回は「関節を動かす機会が減ることで動きが制限された状態」いわゆる拘縮(こうしゅく)について解説します。
腕・肩の骨折や怪我をした方から、「もう固まっちゃってるから動かないよね?」とお聞きされることがあります。この疑問には、医学的にもとても重要な意味があります。
なぜなら、“動かさない期間の長さ”が、拘縮が残るかどうかを大きく左右するからです。

◆拘縮とは何か?
拘縮とは、関節を動かそうとしたときに「硬くて動かない」「動かすと痛い」と感じる状態のことを指します。
原因は1つではなく、次のような要素が組み合わさっています。
◯痛みによる筋肉のこわばり
◯不動(動かさない)ことによる関節包や靭帯の癒着
◯筋肉の短縮や線維化
◯関節軟骨や結合組織の変性
特に骨折後に過度な固定や長期間腕を動かさないことが、これらの変化を一気に進めてしまう要因になります。
◆どのぐらい動かさないと治りにくくなる?
研究では、動かさない期間が長くなると可逆性(元に戻る可能性)が下がることがわかっています。
✔動物実験では、2週間以内の固定ではまだ筋肉の硬さが主な要因で、リハビリで回復しやすい。
✔しかし、4週間以上の不動化になると、関節包や靭帯などの構造的変化が起きてしまい、回復が難しくなる。
人間の臨床研究でも、近位上腕骨骨折のようなケースで「1週間の固定」と「3週間の固定」を比べると、短期間(1週間)で動かし始めた方が肩の機能回復が良いという結果が出ています。
つまり、骨折後のリハビリでは
👉 “医師の判断のもとでできるだけ早く、安全な範囲で動かし始める”ことが非常に重要
ということが言えます。
しかし、「ただ肩を動かす・腕を動かす」だけで改善しない場合や動かし方により、さらなる疼痛を引き起こす場合があります。だからこそ、医学的知識を持った経験豊富なセラピストのみ在籍しているPNFリハビリセンターを選んでいただけています☝️
◆最後に
拘縮は「骨折や怪我が治った後に残る後遺症」の中でも、早期対応で大きく予防できるものです。
痛みや不安があるときこそ、専門家と相談しながら少しずつ動かしていくことが大切です。
PNFリハビリセンターでは、拘縮予防・改善に対しても施術を行っています。お気軽にご相談ください。