こんにちは!東京都文京区本郷にある自費リハビリ施設 PNFリハビリセンターの松本 行希です。
運動麻痺や神経麻痺の方に対して病院でのリハビリや退院後も様々な装具を使用することが多いと思います。
私の考える、それぞれの装具の特徴やメリット・デメリットをお話させていただきます。
本日は、大腿部〜足部まで覆っている「長下肢装具(ちょうかしそうぐ)」について、ご紹介します!

◆長下肢装具って何? なぜ使うのか?
長下肢装具とは、大腿部〜足部までを覆い、膝関節や足関節の動きを制御する装具の事をいいます。 脳卒中や脊髄損傷などで下肢の筋力やバランスが不十分な方に対して立位や歩行を補助する目的で用いられます。
例えば…👇️
• 股関節や膝が安定せず、立つことや歩くことが難しい場合
• 片麻痺などで膝折れ(膝がカクッと曲がる現象)が起こる場合
• 歩行練習を安全に始めるための補助が必要な場合
このように「安全に立位・歩行を練習するため」に用いられることが多いです。
◆メリット
• 膝折れを防げる → 転倒リスクを減らせる
• 立位・歩行練習を早期に開始できる → 廃用を防ぎ、運動機能回復を促進できる
• アライメントの改善や変形を予防出来る
• 麻痺側の筋活動を促すことも出来る
つまり、リハビリの初期段階で「安全に動作を学習できる」ことが最大の利点です。
◆デメリット
• 装具が大きく重い → 日常生活での使用は現実的でないことが多い
• 歩行が不自然になりやすい → 膝と足関節の動きを制御するため、本来の動きとは異なってしまう
• 既存の物ではサイズが合わないことがある・作成や調整に時間を要する → サイズが合わないと姿勢不良を起こしやすく目的の筋活動を得られにくい、自分に合った物を作成すると2〜3週間かかる
• 歩行練習の場合、担当セラピストの技術で効果に差が出る → 目的の筋活動を得られない場合もある
長下肢装具はあくまで「リハビリの補助」であり、長期間の使用は装具に頼ってしまい、筋活動が得られにくくなるという報告もあります🗒️
◆ まとめ
長下肢装具は、立位や歩行の安全性を確保するために使われる大切なリハビリツールです。⚒️
ただし、メリットと同時にデメリットもあり、長下肢装具を使用しての歩行獲得が目標になる場合は、多くありません。「ずっと使う」ものではなく、「ここの筋活動を促したい」や「立っている感覚を促通したい」など目的に合わせ使用し、装具を外した動作も適宜確認していくことが必要だと考えています。
外す時期などは明確化されていないため、「使う・使わない」の極端ではなく、目的のため部分的に使用するなど臨機応変に使用していくことが重要だと考えます💡