はじめに
こんにちは! 文京区水道橋にある自費リハビリ施設の松本 行希です。
「膝や腰の痛みがあるので杖や歩行器を使いましょう」「歩くのが不安定なので杖や歩行器を使って歩きましょう」
このように、痛みや不安をきっかけに補助具を勧められる・使い始める方はとても多いです。今回は、歩行補助具のメリット・デメリット、そして私が考える使い方についてお話したい思います。

✓歩行補助具のメリット
まず、杖や歩行器などの補助具はとても頼もしい味方です。
①安定感が増す
②転倒のリスクを下げられる
③動作時の疼痛を減らせる可能性がある
④ 行動範囲が広がる(外出しやすくなる)
身体のバランスが不安定・痛みが強い時期には、安全に楽に生活を続けるために必要な道具だと思います。

⚠歩行補助具のデメリット
ただし、気をつけたいポイントもあります。
①補助具に頼ることで、本来使われるはずの筋肉や感覚が働きにくくなる
②体の左右差やバランスが崩れる原因になることもある
③歩行補助具を使うことで別の場所に痛みが出てくる可能性がある
つまり、歩行補助具に頼ることで「必要以上に使わない部分が増える」「手や肩に力が過度に入ってしまう」など、身体能力の低下や疼痛が出現する要因になることがあります。
頼ることは悪くない。でも「外して行う」事も必要。
補助具を否定するわけではありませんし、転倒してケガをしてしまうことは、一番避けたいリスクです。
ただ、「なぜ、歩きにくいのか?」「なぜ、痛いのか?」に対して着目し、
その原因に対しての練習を取り入れることで、
• 自分のバランス感覚を再確認できたり
• 身体の反応を引き出すことができたり
機能の促通(=眠っていた機能を目覚めさせる)にもつながっていきます。
使う場面(買い物などの生活場面など)と使わない場面(機能向上や疼痛軽減目的の運動など)の使い分けが大事だと考えています。
あなたの「ちょうどいいバランス」を一緒に探していきます
現在の生活を保持するために歩行補助具を使用しつつ、「もっと良くなりたい」「楽にできるようになりたい」など身体の状態・生活スタイルなどもふまえて、「今のあなたにとってベスト」を一緒に探していくのが私たちの役割です。
※補助具の卒業がゴールではありません。
大切なのは「自分の体で動ける感覚」を取り戻すこと。
その先にある、あなたらしい暮らしのために、私たちは全力でサポートします。